年金の受給額を増やす3つの方法
2021.10.18
今回は年金についての耳より情報を少しお伝えしたいと思います。
老後の生活を支える年金。将来の年金受給額は、毎年誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」等で見込み額が確認できますが、その額を見て「ちょっと少ないかも…」と、不安を感じている人もいるかもしれません。
少ない年金を補うためには、貯金や投資等をしておくことももちろん大切ですが、あわせて年金受給額そのものを増やす方法についても知っておくことがおすすめです。
会社員の場合、年金受給額を増やす方法は3つあるといいます。その方法をご紹介しましょう。
1.収入を上げる
会社員が受け取る厚生年金の受給額は、加入期間に加え、給与収入(基本手当、残業手当、通勤手当等含めた「報酬月額」)にもとづいて決められます。厚生年金保険料は報酬月額を32の等級に区分した「標準報酬月額」で決められており、収入が上がってこの等級も上がると、保険料額が増えると同時に年金受給額も増えます。この等級を上げることを目標に、収入アップをめざすのがひとつの方法です。
なお、厚生年金保険料の等級は、日本年金機構のホームページに掲載されている「厚生年金保険料額表」で調べるとができます。
2.定年後も働く
厚生年金は70歳まで加入することができます(今後改正により75歳まで加入できるようになる可能性もあり)。そのため、60歳の定年後も会社員として70歳まで働き続ければ、厚生年金も70歳まで加入でき、年金受給額を増やすことができます。仮に定年後の年収が300万円の場合、70歳まで働くと年金が年に16万4400円も増えます。
3.年金を70歳から受け取る
年金は受け取り始める年齢を遅らせるほど、受給額を増やすことができます。原則、年金は65歳から受け取ることができますが、希望すれば70歳まで受給開始のタイミングを遅らせることができます(2022年4月からは75歳まで遅らせることが可能)。受給開始のタイミングは月単位で申請することができ、受給開始を1カ月遅らせるごとに受給額は0.7%アップ。1年遅らせると8.4%増え、70歳まで遅らせれば42%年金が増えるしくみです。
「受給開始を遅くした分、受け取れる期間が短くなって損をするのでは?」と思われるかもしれませんが、仮に70歳まで受給開始を遅らせた場合、81歳11か月以降は65歳から受給した場合の総額を上回ります。手取りも含めて生活設計を立てましょう。
「例えば現時点で40歳独身の人が、年収350万円から400万円にアップして60歳まで働くと、年金受給額は年間で約5万2600円アップします。加えて、定年後は70歳まで年収250万円の契約社員として働き、年金受給を70歳からとした場合、年間で約82万円も年金が増えます。長く働き、遅く受け取り始めることが年金を増やすコツといえます」
人生100年時代となるこれからは、70歳まで働くことがスタンダードな選択肢となっていくことでしょう。年金の受給額を増やす意味でも、長く働くことをふまえて将来を計画してみてください。