今年は挑戦してみたい!「学び直し」の始め方
2022.01.21
人生100年時代、70歳まで働く社会になるともいわれる昨今、ビジネスでのステップアップが期待でき
る社会人の「学び直し」が注目されています。
これまで400社以上で人材育成支援を手掛けてきた株式会社FeelWorks代表の前川孝雄さんは、学び直
しのメリットはそれだけではなく、「本当にやりたいこと」や「働きがい」を見つける手段にもなると話
します。とはいえ、なにを学べばいいのかわからない・・・と思う人も少なくないでしょう。
学び直しを始めるには、まず「仕事人生の主導権は会社ではなく自分自身で握る」という意識を持つこ
とが大切だといいます。そして次の手順で自己分析をして、学びの方向性を見定めてみてください。
1.これまでの仕事を振り返り「強み」をあぶり出す
まずは「これまで力を入れて取り組んだ仕事」を挙げ、その仕事に取り組んだときはどんな目標を
立て、どんな努力や工夫をして、どんな結果や成果が得られたのかを書き出していきます。そして、
それらの仕事を通じて自分の中でどんな発見があったのか、またはそれらの仕事を通じてどう成長で
きたのかを振り返り、書き出しましょう。そのうえで、ここまで書き出した内容から浮かび上がる、
自分の「持ち味」や「強み」「長所」などをピックアップします。
さらに、幼少期や子供時代、学生時代はなにに影響を受け、どんなことが好きで、どんな仕事をし
たいと考えていたかについても書き出してみましょう。ここで書き出した内容と、自分の持ち味や強
みとしてピックアップした内容がリンクしていれば、今後の学びの軸になりやすいと考えられます。
2.「強み」を活かせそうな仕事を研究する
1.でピックアップした「持ち味」や「強み」を活かすことができる、自分に向いていそうな仕事
はなにか考えてみましょう。複数でもかまいません。そして、なぜその仕事が自分に向いていると思
ったのか、理由を書き出します。あわせてその仕事の概要と主要業務、仕事を取り巻く環境や将来の
展望なども書き留めておきましょう。次に、その仕事にはどんな「働きがい」があるかを分析します。
実際にその仕事をしている人の話を聞いたり、その仕事に関する記事を読むなどして、「働きがい」
を具体化していきます。そしてここまで書き出した内容をふまえて、その仕事に求められる思考、能
力、経験などを自分の視点で考え、まとめておきましょう。
最後にもう一度、なぜその仕事に関心を持ったのか、自分に向いていそうだと思ったのか、理由を
考えてみましょう。最初に考えたときには気づかなかった理由が見つかったり、本当にその仕事をや
りたいかどうかをしっかり確認することができます。
3.学びの方針を立てる
2.で本当にやりたいと思う仕事が見えてきたら、その仕事に就いた3年後に自分はどうなりたい
かというビジョンと、その仕事で社会に対してどんな役割を果たしたいかというミッション(使命)
を書き出します。そして、そのビジョンやミッションを実現するために現時点で不足している知識や
経験、身につけるべき能力などをリストアップしていきましょう。それらの知識や能力を身につける
ことが、学びの方針となります。
学びの方針が決まったら、まずは関連する本を読む、講習会やセミナーに参加するといった手軽な
学びから始めてみましょう。そこで「面白い、もっと深く知りたい」と思えたら、スクールに通った
り資格取得の勉強をしたりといったより深い学びにステップアップすることがおすすめです。もし学
んだことが「あまり面白くない」と感じた場合は、固執せずにほかの学びに切り替えましょう。
「面白い」と思える学びを見つけることができれば、それこそが本当にやりたいことであり、働きがい
のある仕事にもつながっていきます。新年を迎えた今、今年の目標のひとつとしてぜひ「学び直し」を始
めてみませんか。